お知らせ

ブログ

米粉のお菓子とともに歩んだ、まちいえからの独立ストーリー-solaristory-

現在は自宅に工房を構え、米粉のお菓子の製造・販売に加え、おやつ料理教室も開催しているsolaristoryさん。
そのはじまりは、まちいえきっちんPlusのレンタル利用でした。「まずは借りる」という選択から始まった挑戦は、どのようにして“自分のキッチンを持つ”という形へと広がっていったのでしょうか。

●薬剤師から、米粉おやつ料理研究家へ

山本さんは、大阪生まれ、大阪育ち。
「手に職をつけなさい」という言葉を受け、薬剤師の道へ進みました。

約14年間、薬剤師として働く日々。
けれど忙しさや疲労が積み重なり、自身も体調を崩してしまいます。

「薬で胃を痛めてしまって。あれ?と思ったんです」

薬膳を学び、食生活を見直すことで体調は改善。
そんなときに、“1ヶ月グルテンフリーで花粉症が軽減した”という人に出会いました。
………ただ一つ問題が。
 「お菓子を食べることがストレス発散だったんです」

やめられないなら、変えよう。
その想いが、米粉のお菓子づくりへとつながっていきます。

安定した職業からの転身は、決して簡単な決断ではありませんでした。けれど、「やってみたい」という気持ちは、時間が経つほどに強くなっていったといいます。レンタルキッチンという選択肢があったからこそ、大きな挑戦は現実の一歩へと変わりました。

●“まずはここから”と決めた場所

※これって米粉なの?って思うほど、シンプルだけど美味しいお菓子。

自分が作っている米粉のお菓子をいろんな人に届けたい。
その思いが芽生えたとき、すぐに自分の工房を持つという選択肢は現実的ではありませんでした。

設備、費用、許可申請。
何より、「本当に続けていけるのか」という不安。

そんなときに出会ったのが、まちいえきっちんPlusでした。必要な設備が整い、菓子製造・販売の許可にも対応している環境。

「ここなら、まずは一歩を踏み出せるかもしれない」

そうして、solaristoryさんの挑戦はスタートします。レンタルキッチンを利用しながら、米粉のお菓子を製造し販売する日々。
実際に“売る”という経験を重ねることで、少しずつ自信が積み重なっていきました。

「自分のお菓子を手に取ってもらえる喜びは、想像以上でした」
同時に、現実的な課題も見えてきます。

移動の負担と、広がっていく想い

公共交通機関での移動。
重い材料や道具を抱えての往復。
製造日程の調整。

車を持っていない私にとって、大量の材料、型や道具を抱えての移動は、想像以上に大変なものでした。雨の日は両手がふさがり、階段では一段一段慎重に足を運ぶ。帰り道には、使い終えた器具をまた詰め直し、次の製造日のことを考えながら電車やバスに揺られる。

「やりたい」という気持ちだけでは乗り越えられない瞬間も、正直ありました。

活動が本格化するほどに、時間と体力の負担は大きくなっていきます。
製造時間そのものよりも、移動や準備にかかる時間のほうが長い日もありました。

けれど、独立を考えた理由は、それだけではありません。

販売を続ける中で、お客様の言葉やリピートしてくださる姿に触れるたび、
「私の作る米粉のお菓子を知ってもらいたい」という思いが、少しずつ膨らんでいきました。続けるための場所ではなく、育てていくための場所がほしい。
今思うと、効率の問題ではなく、覚悟の問題だったのかもしれません。販売を重ねるたびに、 “続ける”から“広げる”へ。
その気持ちの変化が、次の決断へと背中を押していきました。

実家をキッチンにできれば、工房が持てるかも。

実家をキッチンにできれば、工房が持てるかもしれない。
そう思い立ち、両親に相談したとき、返ってきたのは意外な言葉でした。

「2階を使ってみたら?」

実家の2階を工房にするという提案。
その一言で、遠くにあった夢が、急に手の届く場所まで近づいた気がしました。工房を持つと、移動時間などが減り効率も上がる。
けれど同時に、家賃や光熱費といった固定費が増えることへの不安も、ずっと頭の中にありました。
私の製造できる量や価格帯を考えると、 毎月必ず出ていく支払いを抱えることは、大きなリスクでもあります。

「続けること」を一番に考えるなら、無理のない形でスタートする必要がある。

もし家賃のかからない実家を工房にできれば…
挑戦と現実のバランスをとりながら、一歩踏み出せるかもしれない。
そう考えたとき、この提案は、ただの“好意”ではなく、未来を具体的にする選択肢になりました。

とはいえ、家庭用キッチンをそのまま使えるわけではありません。
設備、動線、保健所の許可。
越えなければならないハードルはたくさんあります。

ここで再び、まちいえとのつながりが支えになりました。
まちいえ代表・髙田さんも、計画段階から内装まで相談に乗ってくれました。
完璧な理想形ではなく、今の自分にとって“続けられる形”を一緒に探していく。

大きく跳ぶのではなく、確実に進む。
その選択が、少しずつ現実を動かしていきました。

■ まちいえ代表 髙田さんより
「solaristoryさんは、まちいえをとても丁寧に活用されていた印象があります。経験を積みながら、次のステップをしっかり考えていらっしゃいました。“独立”というと大きな決断に聞こえますが、まちいえで積み重ねた時間があったからこその自然な流れだったのではないかと思います。」

まちいえでの経験があったからこそ、自分に必要な設備や動き方が明確になっていた。
それが、自宅工房計画を現実へと進める大きな力になりました。

自分の場所を持つということ

※まちいえきっちんPlusのように、一人で使う動線の良さを優先した工房
※おやつ料理教室は少人数制でゆったりと居心地の良い空間を意識。

自宅サロンキッチンが完成したとき、
感じたのは達成感よりも、静かな覚悟だったといいます。
「ここが、私の拠点になるんだ」
レンタルキッチンは、挑戦を後押ししてくれる場所。
けれど、自分のキッチンは“責任もすべて自分で背負う場所”でもあります。

設備を整え、動線を考え、自分がどんな活動をしていきたいのかを改めて問い直す時間。
それは単に“効率が良くなった”という話ではなく、 「自分は何を届けたいのか」を言語化するプロセスでもありました。

そして気づいたのは、お菓子を売ること以上に、
米粉という素材の可能性を伝えることが、自分の役割なのではないかということ。
おやつ料理教室では、参加者と同じ空間で生地を混ぜ、焼き上がりを待ち、一緒に味わう時間が生まれます。

その場で生まれる会話や笑顔は、商品を通してだけでは得られなかったもの。
“自分の場所”を持ったことで、 活動はより立体的に、そして温度のあるものへと変わっていきました。

そして2026年2月、新たなスタートへ

自宅工房が整い、活動が安定してくる中で、もう一つの課題が見えてきました。
「もっと知ってもらうための土台が必要だ」
これまでは口コミや対面販売が中心。
けれど、活動の幅を広げていくためには、SNSだけではなく、自分の想いや世界観をきちんと届ける仕組みが必要でした。
そこで、ホームページの制作などのビジュアル面のリニューアルを決意。
ロゴやビジュアルも一新し、ブランドを再構築。

ホームページはこちら
https://www.solaristory.com/

2026年2月、solaristoryは新たな姿で本格始動しました。
ロゴが変わったことは、単なるデザインの刷新ではありません。
それは、「自分はこれで進んでいく」と腹を括った証でもあります。
レンタルキッチンから始まり、自宅工房を持ち、そしてブランドを整える。
その一歩一歩は決して派手ではないけれど、確実に積み重ねられてきたものです。

そしてその最初の一歩は、まちいえという“挑戦できる場所”から始まっていました。

これから挑戦する人へ

最後に、これからまちいえを利用する人へメッセージを伺いました。

「お菓子やパンを販売するには色々なハードルがありますが、”まちいえに出会った”というところで、大きなハードルは超えていると思います。個人のお菓子販売って本来なら孤独ですが、あれこれわからないことがあっても、同じ状況の利用者さんと繋がれたり、相談できる環境があるというのは本当にありがたいです。まずはできる範囲で始めてみること。やってみることで、次やるべきことや、自分の方向性が見えてくるはずだと思います。」

レンタルキッチンから始まった小さな挑戦は、今、自宅工房というかたちで実を結んでいます。

まちいえは、“借りる場所”であると同時に、次のステージへとつながる場所でもあります。
solaristoryさんの歩みは、そのことを静かに教えてくれています。

まちいえきっちんPlusという「はじまりの場所」

solaristoryさんの歩みは、特別な人だけが辿れる道ではありません。
最初から工房を持っていたわけでも、すべてが順調だったわけでもない。

“まずは借りてみる”という選択があったからこそ、経験を積み、方向性を見つけ、次の一歩を考えることができました。

まちいえきっちんPlusは、単なるレンタルキッチンではありません。
菓子製造許可に対応した設備環境はもちろん、挑戦する人を見守り、必要なときには背中を押してくれる存在がある場所。
実際に、solaristoryさんのように利用からスタートし、自分の工房を持つまでに成長した方もいます。

「いつかは自分の場所を持ちたい」そう思っているなら、まずは小さく始めてみること。

まちいえは、その“最初の一歩”を支える場所でありたいと考えています。あなたの挑戦も、ここから始まるかもしれません。

取材後記

薬剤師という安定した道から、新しい挑戦へ。
その決断の裏にあった葛藤や迷い、そして少しずつ積み重ねてきた時間のお話は、とても静かで力強いものでした。レンタルキッチンから始まり、自宅工房を持ち、ブランドを整えるまでの歩みは決して派手ではありません。けれど、一歩ずつ確実に進んできた軌跡があります。
自宅工房の完成を機に、ロゴやホームページも一新。

活動の土台を整える大切なタイミングに、ブランディングのお手伝いをさせていただけたことも、私にとって大きな喜びでした。「まずは借りてみる」という選択が、こんな未来につながる。
そのリアルな姿を見せていただいた取材でした。

執筆 / 撮影:ハナミデザイン(横井 千春)

店舗情報

屋号:solaristory(ソラリストーリー)
教室住所:大阪狭山市狭山4丁目(東小学校近く)※詳細はご予約時にお伝えします。
出店日:instagramでご確認ください。
HP:https://www.solaristory.com/
Instagram: @solaristory.oyatu

一覧に戻る